たかひら正明のブログ

行政書士として法律を駆使して行政に切り込み、 防犯設備士として犯罪を予防し、 防災士として南海トラフ地震対策を行い、 柔道整復師として地域医療を発展させる!

溝蓋の呪い  VS積水ハウス

家の前に溝がある。
家と駐車場の間にある、その溝の口を開けたままにして使っている人はいないのではないか?
一般的には、その開口部に溝蓋を這わすはずだ。


一方は自分の土地なので問題はない。
しかし、もう一方はどうか?


溝蓋を道路に乗せるだけなら、まだ可愛げがある。
そうでなく、道路の端を切って溝蓋を道路とツライチにしておくことも、また一般的であろう。



実は、溝蓋を道路端に置くだけでも、5年毎の更新となっている道路占有許可が必要で、しかも使用料が発生する。
年間150円。


だがそれは、免除を申し出れば免除される。


         



これはあくまでも許可を申し出て、その上で免除申請をした場合のみに適用されるのだ。


ところが、そんな面倒な申請を、しかも5年毎の更新を含めて行っている家がどれほどあるだろうか?
岸和田市内には殆どない。
つまり、違法がまかり通っているのだ。


悪いのは誰だ?


家を購入し、住んでいる一般の人が、そのような許可申請の仕組みを知るはずがない。
代行するのは、売り主であるハウスメーカーなど、不動産のプロの仕事だと、居住者は考えて当然であり、その業者が申請を怠り続けているのだ。


今回、岸和田市内である住民(X氏)が、闘いによって違法を正した、ある例を示す。


1997年 X邸建設
本来、この時点で、建築したハウスメーカー積水ハウスは、X氏に代わって、申請をしなければならなかった。


2012年1月20日 建築確認申請書において、積水ハウスと同社社員である小川広幸1級建築士は、X氏を騙って書類記載を行い、有印私文書偽造の疑いで、大阪府建築指導室 建築安全課 鈴木課長と納谷課長補佐より行政指導がなされる。


建築確認済証や検査済証は、積水ハウスがX氏に手渡さなかったため、X氏はそれらに代わるものとして、建築物台帳等記載事項証明書の発行を岸和田市に要求。
市の建設指導課 日下敬三課長より小川建築士に対し「X氏と共に取りに来てください」と要請するも、小川氏は拒否し続けている。


1.2016年7月20日
X氏の所有不動産は、かねてから違法な状態で溝蓋が自宅前の側溝にかかっており、気になっていた。
X氏が色々と調べたところ、通常はハウスメーカーや不動産屋が代行申請するとわかり、建築業者の積水ハウスに対して、許可申請を市に対して行うよう求め続けた。


ところが、積水は、何故かそれを拒み続ける。
その期間は約20年にも及び、しびれを切らしたX氏は、岸和田市に対して、「市が違法を見逃したままにしておくのか? 道路使用許可申請を、私に出せ!」と、自爆要求を行い、違法を放置できない立場の市より「X氏は市に対して、速やかに申請を行え」とする文章を出させる。




2.2016年12月8日付け和解調書
1のようなX氏の働きかけもあり、係争中であったX氏と積水ハウスとの問題は、和解へと向かう。






この和解調書に書かれているのは、
・グレーチング(溝蓋)設置について、道路法第32条に基づき、道路を管理している道路管理者(今回は岸和田市)の許可を受ける必要があるにもかかわらず、その許可は存在していない=申請自体がされていない。
・居住者(X氏)は、道路占有許可と使用料免除の申請を、ハウスメーカーである積水ハウスに委任し、積水はそれを受ける。
積水は、速やかに水利組合の承諾なども含めて、申請を行い、許可等を得られるよう務める
ということ。


ところが、積水ハウスは、今に至るも申請代行を引き受けていない。



3.2017年5月17日
しびれを切らしたX氏は、とうとう自身で市に対して申請を行い、「道路占有許可証」を勝ち取る。





それでもまだ、積水ハウスは、X氏に対しても、市に対しても何ら説明を行っていない。


和解調書に東証1部上場の大企業がサインをしておきながら、それを行わないなど、通常は考えられぬ。
だが、積水ハウスは、このように裁判官にすら嘘をつき、施主であるX氏をも騙し、イケシャァシャァと、X氏からの「約束を守れ!」との言葉に黙秘を続けている。
理由すらも語らない。


これは岸和田市内だけではない。
全国の積水ハウス建築物件で、また岸和田市内では他のハウスメーカーや不動産会社も同様に申請をせずに頬かむりをしている。
これは大問題ではないとは言え、違法には間違いがない。
つまり、X氏のように自身の所有不動産の違法に気付いた人だけが、心を痛める構図となっているのだ。


まさに「知らんがな」の世界であり、知らず知らずの間に、岸和田市内だけでも万単位の市民が違法に加担し、放置しているということになっているのであった。


しかも、X氏以外の誰もが、それに頬かむりをしている。


このような問題にこそ、「赤信号、皆で渡れば怖くない」的な行為を「三つ子の魂、百まで」とするクウキが流れ、問題から目を背け、煮え湯で茹だりきり、後戻りどころか、そのまま死に至るしかなくなるまで、自身の環境にも目をつぶるような自死行為をも良しとする伝統こそ、
支配者である殿様と支配される町民の構図で、民主主義の欠片もない“城下町”を、勘違いも甚だしく「誇り」などと、支配者である市長や議会が叫び、
それに本来の主権者である市民が騙され続ける、地獄絵図にほかならない。


県下に11もの“城下町”をもつ長野県が、
どのように
医療を民主化し、健康寿命を伸ばし、健康保険使用を減らしたか、
信濃毎日のような良質な地元新聞を育て続けているか、
2015年の戦争下請法審議時にあった“村デモ”のような、まさに民草の思いから派生した行動を生み出したか。


「民主主義って何だい?」
と、うそぶいてやまない岸和田市民こそが、地域の外に目を向けて、市民一人ひとりが熟考すべき問題がそこにある。


気付いてもがくか、
気付かずに放置されて、気付けば自分だけが炎に包まれた焼け野原に立つか?


その分岐点を見過ごした者の手のひらに、報酬はつかめないことだけは確かであり、それを過ぎれば、遅かれ早かれ行き着く先に待つものは、自らを焼き尽くす業火でしかない。



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